ステンレスメッシュの絞り加工【製造業の試作・開発事例】
製品名 | ステンレスメッシュの絞り加工【製造業の試作・開発事例】 |
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材質 | SUS316 、テフロンシート |
1.開発経緯
お問合せ内容:
「ステンレスのメッシュを無給油の絞り品を開発したい」
金属メッシュ材を取り扱う商社様からの依頼です。
メッシュをストレーナとして使いたいが、メッシュとメッシュ間にテフロンのシートを挟み込みたい。
このテフロンが機能し、医療用の設備で使用される。
”無給油で絞り加工を行うとメッシュが破断してしまう”
”3枚重ねて加工しなければいけないが、どうしても加工後にバラけてしまう”
”加工コストを下げたい”
等々 が希望でした。
2.課題
①無給油でも破断しない金型の設計
②3枚同時に絞り加工をしてもバラけないような金型設計
③加工コストを下げるための加工方法の検討
3.開発内容(課題解決策)
金網の異方性を考慮した金型構造の設計
金網は金属板と比べて異方性が出やすい材料です。その網目の方向によって伸びが違い、製品にしたときに寸法が変わってきます。
特に絞り加工の場合、金型への引き込みが変わってきます。絞りの異方性を抑えるためにシワ抑えの強くしすぎてしまうと破断の原因になってしまいます。
そこで金型の異方性を考慮し、引き込みが均等になるような金型構造を設計しました。
さらに、3枚構造のものがバラけないようにするために、あえてシワを発生させて3枚の材料が噛み合うようにしました。
また加工単価を下げるためにトランスファー加工を選択しました。
弊社はお客様の希望に応じて加工方法を「単発加工」 「順送加工」 「トランスファー加工」 の中から選択しています。
今回は材料歩留まりが良く、絞り加工に向いていて加工タクトを稼ぐことができるトランスファーを選択することで、コストダウンも合わせて実現しました。
4.お客様評価
絞り加工の特性を理解した弊社だからこそ、無給油の絞り加工とコストダウンを同時に実現する開発に成功したと喜んで頂きました。
材料の特性に合わせた金型設計
絞り加工の経験が豊富な弊社は、多くの材料への対応力が非常に高いです。
今回のような金網の加工に対しても、トライ&エラーを繰り返すことで最適解を見つけるのですが、
その最適解を出すまでの時間は過去の経験値がモノを言います。
その材料の特性を見極め、その特性に合わせた金型設計により、安定した品質の製品をお客様に提供しております。
まずはどんなことでも結構ですので、気軽にご相談ください。
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