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プレス加工の試作技術で製品開発を加速する【試作品の重要性とメーカー選びのポイント】

試作品開発
試作・開発LP

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試作品の役割と意義

プレス加工の分野において、試作品は製品開発プロセスの重要な要素となります。試作品を作成することで、設計上の不具合を早期に発見し、最終製品の品質を高めることが可能です。また、試作品は顧客やステークホルダーに製品のビジョンを明確に伝える手段としても機能します。これにより、開発初期段階での合意形成が促進され、プロジェクト全体のスムーズな進行が期待できます。

企業によるプレス加工の活用法

多くの企業が、プレス加工技術を利用して試作品を製造しています。この技術を活用することで、精密で複雑な部品を効率的に生産することが可能です。特に、自動車産業や電子機器産業など、部品の寸法精度が厳しく求められる分野において、プレス加工は欠かせない技術です。また、試作段階でプレス加工を取り入れることで、量産時に発生する可能性のある製造上の課題を事前に洗い出し、対策を講じることができます。

量産前の試作が必要な理由

量産前の試作は、製品の品質保証や生産効率の向上において非常に重要です。試作段階で製品の性能や耐久性を確認することで、量産に移行する際のリスクを大幅に軽減できます。また、試作を通じて得られたデータを基に、量産用の金型や製造プロセスを最適化することが可能です。これにより、無駄のない効率的な生産体制を構築できるため、コスト削減にもつながります。


1.プレス加工の基本工程

金型の設計と製作

プレス加工において、金型は製品の形状や寸法精度を決定する最も重要な要素です。金型の設計は、製品の仕様や使用される材料の特性を十分に考慮して行われます。設計の段階では、プレス加工中に発生する応力や変形をシミュレーションし、最適な形状と構造を決定します。その後、設計図に基づいて高精度な加工技術を駆使して金型が製作されます。金型の品質が製品の品質を左右するため、金型の製作には高度な技術と経験が必要です。

金属部品の加工手法

プレス加工では、金属板をプレス機で打ち抜き、曲げ、絞り加工などを行い、所定の形状に成形します。主な加工手法として、以下のものがあります。

  • 打ち抜き加工: 金属板を指定された形状に切断する加工法です。部品の輪郭や穴を作成するために使用されます。
  • 曲げ加工: 金属板を指定された角度に曲げる加工法で、部品の立体形状を形成します。
  • 絞り加工: 材料を引き伸ばして、深さのある形状を作る加工法です。カップや容器のような部品の成形に使用されます。

各工程の流れとポイント

プレス加工の工程は大きく分けて、以下の流れで進行します。

  1. 材料選定と準備: まず、製品の仕様に応じた金属材料が選定され、プレス加工に適した状態に準備されます。材料の品質や寸法が製品に直接影響するため、厳密な管理が求められます。
  2. 金型セットアップ: 次に、プレス機に金型をセットし、各パラメータ(圧力、速度など)を調整します。このステップは、製品の精度と品質を確保するために重要です。
  3. 加工工程: プレス機を稼働させ、金属材料を金型で加工します。加工中には、金属の変形や摩耗を最小限に抑えるために適切な潤滑剤が使用されます。
  4. 検査と仕上げ: 加工が完了した部品は、寸法や表面の仕上がりを検査されます。必要に応じて、追加の仕上げ工程(バリ取り、熱処理など)が行われ、最終製品として完成します。

2.試作品開発のプロセス

試作開発のプロセス

試作のための設計ステップ

試作品開発において、最初に行うのは詳細な設計です。試作品は、最終製品の性能を確かめるための重要なステップであり、CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアを用いて3Dモデルを作成します。ここでは、製品の形状、寸法、公差などが正確に定義され、製造に必要な全ての要件が網羅されます。

試作品の評価手法

試作品が完成した後は、その品質と性能を評価します。評価手法には以下の工程が含まれます。

  • 初品検査: 試作品の寸法が設計図通りであるかを確認するため、全ての寸法を測定します。この段階では、製品の精度と公差が要求通りであるかを厳密にチェックします。
  • 機能試験: 初品検査に合格した試作品について、必要に応じて機能試験を行います。プレス加工メーカーは製品の最終使用環境を必ずしも把握していないため、硬さや圧入強度などの性能試験は公的機関に依頼し、その結果を確認することがあります。

フィードバックの収集

試作品の評価が終了した後、顧客や関連部門からフィードバックを収集することが重要です。フィードバックは、設計や製造プロセスの改善に直接役立ち、最終製品の品質をさらに向上させます。この段階で、試作品が実際の使用条件でどのように機能するか、または予期しない問題が発生しないかを確認します。これらの情報を基に、必要な調整を行い、量産に向けた最終的な準備を整えます。

試作から量産への移行

試作品が設計仕様を満たしていることが確認された後、量産への移行が開始されます。この段階では、試作で得られたデータを基に製造プロセスを最適化し、効率的かつ高品質な量産体制を整えます。特に、量産初期における品質管理の強化が重要です。

  • 初期流動管理(Early Production Management): 量産開始直後の品質管理プロセスを初期流動管理と呼びます。これは、量産初期の製品品質や生産プロセスの安定性を確認し、問題を早期に発見・解決するためのプロセスです。初期流動管理では、製品が設計通りに製造されているか、プロセスが安定しているかをモニタリングし、必要に応じて工程の改善を行います。これにより、量産中の品質リスクを最小限に抑え、安定した生産を実現します。

3.プレス加工メーカーの選び方

プレス加工メーカーの選び方

企業の製造能力を確認するポイント

プレス加工メーカーを選ぶ際、まず確認すべきポイントはその企業の製造能力です。適切なメーカーを選定することで、試作品の品質や量産時の安定性が大きく左右されます。以下は、製造能力を確認するための主なポイントです。

  • 生産実績: 過去の生産実績を確認することで、そのメーカーがどの程度の規模で、どのような製品を製造してきたかを知ることができます。特に、同様の製品を製造した実績があるメーカーは、ノウハウやトラブルシューティング能力が高く、信頼性が高いです。
  • 生産能力の柔軟性: 試作から量産までのスムーズな移行が可能かどうか、また、急な生産スケジュールの変更や追加オーダーにも対応できる柔軟な生産能力を持っているかも重要なポイントです。

試作の段階においては最新の設備かどうかはあまり重要ではありません。それよりも如何に柔軟にスピードを持った対応が出来るかが重要です。もちろん最新の設備であることに越したことはありませんが、それ以上に優先すべきは対応力です。

対応力の高いメーカーとは

プレス加工メーカーの選定において、対応力は非常に重要です。ここでの対応力とは、顧客のニーズに迅速かつ的確に応える能力を指します。対応力の高いメーカーは、プロジェクトの成功に大きく寄与します。具体的には以下の点に注目します。

  • 技術サポートの充実: 技術的な相談に対して適切な提案やサポートを提供できるメーカーは、試作段階での設計変更や問題解決に迅速に対応できます。これは、試作品の品質向上や量産への円滑な移行に繋がります。
  • コミュニケーション力: 顧客とのコミュニケーションが円滑に行えるかどうかも重要です。要求仕様や納期、コストに関する細かな調整を適切に行うためには、メーカーとの密接な連携が不可欠です。
  • 柔軟な対応: 予期しないトラブルや仕様変更が発生した場合でも、柔軟に対応できるメーカーは信頼性が高いです。特に、緊急の対応が求められる場合に、迅速に動ける体制を持つメーカーを選ぶことが推奨されます。

コストパフォーマンスの考慮

メーカー選びにおいてコストパフォーマンスは常に重要な要素です。ただし、単に価格が安いという理由だけで選ぶのではなく、提供されるサービスや品質とのバランスを考慮することが必要です。

  • 総合的なコスト評価: 製品の単価だけでなく、金型製作費や試作費、納期の厳守にかかるコストなど、総合的なコストを評価する必要があります。初期費用が高くても、長期的な視点で見た時にトータルコストが抑えられるケースもあります。
  • 品質とコストのバランス: 高品質な製品を適正な価格で提供できるメーカーは、長期的なビジネスパートナーとして非常に価値があります。試作品や量産品の品質が優れていることが、結果としてコスト削減に繋がることも多いため、品質とコストのバランスを見極めることが重要です。

4.ニーズに応える試作技術

試作技術

難易度の高い金属加工に挑む

プレス加工技術が進化する中で、難易度の高い金属加工にも対応できるメーカーが増えてきています。例えば、非常に薄い金属板を精密に成形する薄板加工や、従来の技術では対応が難しかった複雑な形状の成形などが可能になっています。

弊社のケースでは、医療機器メーカーから依頼を受けた特注部品の試作がありました。この部品は、板厚が非常に薄く、機械加工では製造できないほど複雑な形状をしていました。従来の加工方法では製造が難しいとされていましたが、最新のプレス技術と高精度な金型設計を駆使することで、要求された仕様を満たす部品の試作に成功しました。このような難易度の高い加工は、プレス加工技術の新たな可能性を切り開くものであり、顧客からの信頼を得る重要な要素となります。

技術革新と試作品の関係

技術革新は、試作技術に大きな影響を与えます。新しい加工技術や材料が開発されることで、従来は不可能だった形状や精度を持つ部品が試作できるようになります。また、CADやシミュレーション技術の進歩により、試作段階での設計と検証がより迅速かつ正確に行えるようになっています。

例えば、3Dプリンティング技術の導入により、複雑な形状の試作品を短期間で製作することが可能になりました。これにより、試作段階での設計変更やフィードバックを迅速に反映できるようになり、開発プロセス全体のスピードが大幅に向上しました。

5.試作技術の選定と判断基準

適切な加工方法の決定

試作段階では、製品の仕様や要求性能に応じて、最適な加工方法を選定することが重要です。プレス加工の技術は非常に多岐にわたり、材料や形状、精度などに応じて適切な方法を選ぶことで、試作品の品質や製造効率が大きく左右されます。もちろんプレス加工が最適な加工方法とは限りません。切削加工、板金加工、3Dプリンター等、お客様の求める製品に最適な加工技術でご提案をさせて頂きます。

設計変更に対するフレキシビリティ

試作段階では、設計変更が頻繁に発生することがあります。これに対処するためには、選定した試作技術がどれだけフレキシブルに対応できるかが重要です。プレス加工においても、柔軟な対応力が求められます。この柔軟性こそが弊社の強みの一つです。納期についても柔軟に対応致します。

納期と品質のバランス

試作技術の選定において、納期と品質のバランスをどのように保つかが最終的な判断基準となります。特に、納期に厳しいプロジェクトでは、試作技術の迅速性と品質確保の両立が求められます。

お問い合わせとサポート

試作に関する相談窓口

試作段階での技術的な相談や問題解決が必要な場合、いつでもお問合せください。国家資格を持った技術担当者が、最適な加工方法の提案から、製品設計の改善、量産への移行まで、全てのプロセスでサポートを提供します。

納期やコストのご要望

製品開発のプロジェクトにおいて、納期やコストは重要な要素です。私たちは、お客様のご要望に応じた柔軟な対応を行い、納期の厳守とコストパフォーマンスの最適化を目指します。

技術相談の流れ

技術的な課題や試作に関するご相談は、以下の流れで進めさせていただきます。

  1. お問い合わせ: お電話やメール、オンラインフォームでお問い合わせいただいた後、具体的な内容をお伺いします。
  2. 初回ミーティング: 営業担当者が詳細なヒアリングを行い、試作に関する技術的な課題やご要望をお聞きします。必要に応じて、オンラインまたは対面でのミーティングを設定します。
  3. 技術提案: お客様のニーズに基づいた最適な加工方法や試作プロセスを提案します。試作品の設計や製造方法についての詳細な説明を行い、納期やコストについてもご相談いたします。
  4. 試作の実施: 合意されたプランに基づき、試作を開始します。試作中は進捗報告を定期的に行います。
  5. 評価とフィードバック: 試作が完了したら、初品検査や機能試験を実施し、その結果をお客様にフィードバックします。必要な改良があれば、再度試作を行い、最終的な試作品を完成させます。
  6. 次のステップへ: 試作品が完成した後、量産への移行やさらなる技術サポートを提供します。お客様のプロジェクトが成功するよう、引き続きサポートを行います。


野口製作所からのメッセージ

野口製作所は昭和 42 年の設立以来、金属プレス加工を通して御客様の課題を解決す る提案型企業として成⻑して参りました。

私たちのコア技術はプレス加工の工法の一つ、深絞り加工です。

この深絞り加工技術で 製作した製品を電子機器部品、車載部品で使って頂いています。

また、医療機器として 製作している製品の中には、これまで実現できなかった非常に微細で薄肉の製品を深絞 り加工技術により製作に成功したものもあり、お客様の事業拡大に大きく貢献しまし た。

このように私たちは幅広い市場ニーズにお応えする製品製作をしております。どんな時でも私たちが大切にしているのは、御客様の課題に共に悩み、解決のための最 適解を提案するきめ細かい伴奏型のものづくりサービスです。

御客様の伴走者として共に成⻑していくことは最大の喜びだと考えています。 そのためにも、まずは社員一人ひとりが人間力を鍛え、正しい判断で御客様へ寄り添える人 財の育成が何よりも大切だと感じ、日夜人財育成に努めております。

これからも私たちは、世界中のお客様の期待をこえる価値を、安心というカタチで提供し ていきます。


弊社の詳細な情報につきましては、下記のリンクから資料をダウンロードしてご確認ください。

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[ブログ監修者]
本ブログは、金属プレス加工技能士1級(国家資格)の資格を持ち、金属プレス加工業務の経験豊富な弊社技術者が監修を行っております。