金属材料について解説していきます。
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プレス加工で用いられる金属って?
プレス加工が成り立つ基本3要素はプレス機械と金型、そして被加工材(金属)と言われています。
被加工材(金属)は、鉄鋼材料と非鉄材料(ステンレス・アルミニウム・銅・真鍮等)に大別され、それぞれの材料には様々な仕様があります。
自動車や電機・電子部品に一番多く使用されている材料は普通鋼で、安価な熱感圧延鋼板や表面肌がきれいで板厚精度の高い冷間圧延鋼板があります。中には、プレス加工後の熱処理によって強度を向上させることが出来る特殊鋼などもあります。また錆にくい材料としてステンレス鋼等の特殊用途鋼がある。非鉄金属ではアルミニウム合金、電気特性に優れる銅合金などがあります。
材料選定
プレス加工には抜き・曲げ・絞り等があるため、求める製品形状を作るための加工方法に合った材料選定が必要になります。
そのため、材料選定の際には材料の機械的性質を参考にします。
材料の機械的性質
機械的性質とは、金属材料の力学的な特性の総称で、機械特性ともいわれます。
代表的なものに、引張強さ・降伏点(耐力)・伸び・絞り・硬さ・衝撃値などがあり、これらは金属材料を使って加工を行う際に重要視される性質で、外部から力を加えた際どのような反応を示すかを数値で表すものであり、加工可否の判断材料となります。
もし、加工方法に合わない材料選定を行ってしまった場合、製品の損傷(割れ・破れ・キズ等)及び金型の破損にも繋がる恐れがあるため、設計段階において把握しておく必要があります。
また、加工部品に求められる機能・性能(電気特性・耐食性・硬さ・軽量化等)においても材料選定が必須となりますので、加工性と併せ対応可否を検討することなになります。
材料別用途とその特徴
代表的な材料とその特徴は以下となります。
・ステンレス
ステンレス材は耐食性、抗菌性、抗カビ性があります。また、高い強度を保ちながら、軽量であるため構造体としても広く使われています。さらに、非常に耐熱性があるため、高温でも形状が安定します。また意匠性にも優れており、美観良く、表面を研磨することで光沢を持たせることが出来ます。家電製品や外観部品、建築材や装飾材としても使用されています。
その成分はCr又はCrとNiを含有させた合金鋼であり、一般にはCr含有率が約11%以上の鋼です。
その組成上、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系の3種類に分類されて、特にSUS430のフェライト系とSUS304のオーステナイト系が幅広く使用されています。
SUS430
フェライト系ステンレス鋼を代表する17Cr鋼で、張り出し性はSUS304に劣る。価格は304に比べて安価。
SUS304
プレス加工で多く利用されている鋼種で、絞り性、張り出し性、伸び性がいいずれも良好なため幅広く利用されている。ただし、普通鋼に比べて加工硬化が大きい。
・アルミニウム
アルミニウムは表面状態が良く耐食性に優れており、比重が小さく1㎤あたりの物質量が約2.7gという特性がある。さらに一部の合金系を除いては属性や延性優れて加工性も良いことから、飲料缶や住宅用サッシ、航空機や鉄道車両部材まで、幅広く利用されています。
その主要成分により1000系から8000系まで分類されます。
1000系
純アルミニウム 純度99%以上の工業用アルミニウム材で、強度は低いが加工性や溶接性に優れ、耐食性や熱伝導性も良い。
2000系
Al-Cu系 時効硬化を利用した熱処理合金で強度が強く、航空機用の部材等に使用されている。ジェラルミンと呼ばれている。
5000系
Al-Mg系 中強度で加工性や溶接性が良く、耐海水性や耐応力腐食性に優れた合金で、家電製品や船舶、建材など幅広く利用されている。
その他
鉄鋼
炭素量、加工硬化が少なく柔らかいため、曲げや深絞り材として使用されることが多い。
銅合金
タフピッチ銅(C1100)は耐食性、絞り加工性に優れている。
黄銅(C2680)は銅・亜鉛合金の中で最大の伸長性を持っており深絞り加工に最適とされている。
黄銅(C2801)は強度と展延性が高いため、抜打ち・折り曲げなどの板金加工に使用されることが多い。
野口製作所では、上記の中でも難加工材と言われているステンレス・アルミ・銅等の非鉄材の抜き加工・曲げ加工はもちろんのこと、特に深絞り加工を得意としております。
各種業界(家電・車載・医療・センサー等)向けの絞り加工実績があり、お客様の困り事・課題を弊社技術でご提案させていただきます。
野口製作所からのメッセージ
野口製作所は昭和 42 年の設立以来、金属プレス加工を通して御客様の課題を解決す る提案型企業として成⻑して参りました。
私たちのコア技術はプレス加工の工法の一つ、深絞り加工です。
この深絞り加工技術で 製作した製品を電子機器部品、車載部品で使って頂いています。
また、医療機器として 製作している製品の中には、これまで実現できなかった非常に微細で薄肉の製品を深絞 り加工技術により製作に成功したものもあり、お客様の事業拡大に大きく貢献しまし た。
このように私たちは幅広い市場ニーズにお応えする製品製作をしております。どんな時でも私たちが大切にしているのは、御客様の課題に共に悩み、解決のための最 適解を提案するきめ細かい伴奏型のものづくりサービスです。
御客様の伴走者として共に成⻑していくことは最大の喜びだと考えています。 そのためにも、まずは社員一人ひとりが人間力を鍛え、正しい判断で御客様へ寄り添える人 財の育成が何よりも大切だと感じ、日夜人財育成に努めております。
これからも私たちは、世界中のお客様の期待をこえる価値を、安心というカタチで提供し ていきます。
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